建築 日常

2018.08.31 Autodesk University Japan 2018

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お台場のグランドニッコー東京で主催されたAutodesk University Japan 2018に参加してきました。

まだまだ遅れている日本のBIM業界

BIMとCAD等グラフィック作成ソフトの今と将来をテーマに開催されている本イベントでは、オートデスクの他、Lenovo、HP、DELLなどワークステーション取扱いメーカーやものづくりに関連する多くの企業が出展されていました。また、大塚商会やダイキンなど、IT機器の支援業務を主体とする企業も多く出展されていました。
いくつかのセミナーや出展企業等の話を聞いた印象としては、今の段階では日本の建築業界においてのBIMの浸透は、まだまだ薄いように感じられました。安井建築設計事務所や久米設計、東急建設、大林組等、積極的に取り組まれてる企業はいくつかありますが業界全体としては、着実に拡がりはみせつつもかなりのスローペースで進んでいるようです。JREの話によると、BIMが普及してきているシンガポールやイギリスに対し、日本での普及が遅いのは、国の支援が大きく異なるからだそうです。ですが、いずれ近い将来、日本もBIMが普及する体制となっていくとJREはみているようです。

特異な展望を見せる日本BIM

実際には、日本ではパナソニック、TOTO、ダイキンなど、大手建材メーカーがBIMを牽引しているように感じました。照明設計や空調設計と建材の性能データとの連携、施設運営時のファシリティマネジメントやIoTとの連携、施工時における管理・監理での情報の一元化、リアルタイムでの多分野の統合、環境シミュレーションなど、作図そのものよりも情報の一元化によるメリット(付加価値)の開発が主となってきています。土木業界では、現況を3D測量により点群データとして抽出することで、より環境に負荷のない提案を行うといった試みがされているようです。それらはForgeと呼ばれ、インターネットによって拡張・連携されます。また、電話回線やモバイル回線でもその連携は可能だそうです。そうなると、例えば、事務所で編集した内容がリアルタイムで現場のタブレットが更新されるといったことが可能になります。またVRやARと連携すれば、設計された建物を設計や企画段階でリアルに近い状態を体験することが可能になります。

今後を見据えて

上記のようにBIMの可能性はソフト単体にあらず、他分野を含めた様々なツールと連携することでその価値が発揮されるようです。つまり、制度設計が遅れている日本のBIM業界においては、BIMそのものの普及よりは、その地盤固めや周辺機器の性能・機能向上を優先的に進められているように感じられます。そのように考えると、5年後くらいではまだまだ足踏みしている状況かもしれませんが、10年後には一変しているといったことが発生し、出遅れる企業が大量発生する可能性も想定されます。近い将来のシンギュラリティーが叫ばれる今日ですが、それはつまり、いかに今の段階で準備を行っているかが将来の明暗を分けることになっていきます。

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