インテリア 建築

店舗・インテリアデザインについて

インテリアのデザインは、建築設計とはまた異なる感覚が必要になる。すでにフレームが決まっているインテリアデザインは、まさにそのフレームと向き合うことから始まる。空間の間口、奥行き、高さ、その物理的空間をmm単位で把握し、外部との繋がりも意識する。そしてそのフレームに関わるインフラへの理解。既存の配管、ダクト、水回り、電気引込み、公共インフラへの繋がり、技術的情報を把握する。

トップの画像は、著者が以前に店舗デザインしたお店の内装写真。荻窪のタピオカ店「CUPPA BOBA」。気になる方は是非足を運んでみてください。甘さも無しから段階的に選択できるため、甘いのが苦手な方やタピオカが初めてな方にもオススメです。ちなみに著者も当店舗ができて頂いたドリンクが初めてのタピオカドリンクでした笑。

「CUPPA BOBA」店舗URL:https://cuppaboba.owst.jp/

この店舗デザインにおいてもまずは詳細な調査から行った。よく人間の内蔵や血管に例えられる設備インフラだが、それこそそれを理解してデザインをしないと、無駄に配管が長くなってコストが上がったり、故障しやすくなったりする。結果、建物の寿命が短くなったりしてしまう。そうなるとメンテナンスの回数も増え、ランニングコスト(運営コスト)も増加することになる。逆に、その空間にある様々な情報を理解してデザイン・設計することで寿命を長くし、イニシャルコスト(工事費)もランニングコストも縮小させることが可能になる。いかにかっこいいデザインができても、コストもかかりメンテナンスも手間がかかるようであれば、そもそも事業にならなくなってしまう。機能を殺したデザインなど、もはやデザインではない。

たとえプロジェクトの一部を担う仕事であったとしても、全体の中の一部であることを理解して取り掛かるべきである。住宅の設計や工事は1~2年だったとしても、施主にとっては一生に関わる大きなプロジェクトである。場合によっては次の世代やその次の世代にも関わる大事業である。店舗においても数十年~数百年に関わる大事業になり得る。その為、デザインや建築設計の初期の段階では、数百年を視野に入れた計画を行うことが重要である。

近代以前の建物は人間の寿命を遥かに超えていたが、現代において建てられる建物は人間の寿命より短いことが少なくない。コンクリートの建物でも50年程度が一般的で100年となれば超長寿命となる。なぜこうも寿命に差がでてくるのかというと、それこそその素材といかにどう向き合っているかということ。同じ場所(熱帯地域や塩害地域で差は出る)で同じコンクリート造の建物であっても雨水の処理の仕方やかぶり厚のとり方、フカシによる対策、防水方法など、寿命を延ばす方法はいくらでもある。それらの対処やメンテナンスがしっかりしていれば100年くらいであれば問題なく持つ。

メンテナンスがしっかりしてある建物は、竣工した当時よりも美しい。ルイス・カーンのソーク研究所はまさにその一例といっても良い建物だと思う。(竣工した当時は分からないが…)。2019年1月に見に行った時の第一印象は、メンテナンスの良さへの驚きと、ルイス・カーンのコンクリートへの愛情。コンクリートの弱点を様々なアイデアとディテールで対処しているソーク研究所は、実際に訪れることでその美しさを体感する事ができた。

これからも一つひとつの素材に丁寧に向かい合ってその可能性を引き伸ばす設計をしていきたい。

*当記事の関連本*

お店の解剖図鑑

店舗設計製図講座

実践テキスト 店舗の企画・設計とデザイン

Louis I.Kahn Houses―ルイス・カーンの全住宅:1940‐1974

ルイス・カーン建築論集 (SD選書)

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