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設計者としての日常を振り返ってみて

建築設計を実務とする組織(組織設計事務所)で働く、ということ。今では当たり前の環境に身を置いている、みたいな感覚になってきたけど、ふと振り返ってみると学生の頃、あるいは夢を語っていた小さき頃、その当時に思い描いていた「建築家像」とは大きくかけ離れているように感じる。ただ、悲観しているわけではなく、より広い視野で全体を俯瞰してみることができている、ということなんだろう。多くを知る、ということはきっとそういうことなんだろう。

設計者の業務は8割型が調整だ。プランの納まり、建材や各部位の納まり、コスト、スケジュール、クライアントや業者などの関係者、法律、行政それら全ての調整役になる。デザインや図面の作図等の「作業」は残りの2割程度だ。建築家像としてのいわゆるクリエイティブな時間は、業務や作業といった「仕事の時間」とは別のところにある。

作業の段階ではもうデザインは終わっており、作図作業や模型制作、パース制作等は次のステップに移る為のアウトプットに過ぎない。では、建築家、デザイナーやクリエイターなど、調整役を作業のメインとする彼らの特異性はどこにあるのだろうか。

それは日常にこそある。と私は思っている。普段生活しながら常にデザインを考えてるし、何かアイデアはないかと常にアンテナを張っている。頭の中にはいくつものプロジェクトの計画がリアルとともに同時進行しており揺れ動いている。たまに訪れる作業の時間にアウトプットされることで現実世界と共有される。共有されたプロジェクトは、さらなる進化を求めて創造者の頭に舞い戻り、クリエイティブな時間を繰り返す。

だからこそ日常を大切にしたい。普段見るものや口にするもの、五感で得るものを大切にしたい。積み重ねた歴史や風土を大切にしたい。それらを大切にして、活かして新たなモノゴトを創造したい。そのように設計された建物や街並みは美しい。

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