先日、10歳になる姪がこんなことを言っていた。
「どこにいっても女の人が下にみられて嫌になっちゃうよ」
どこからツッコミを入れようかいろいろ迷ったが…詳しく聞いてみると、どうやら小学校で「そういう扱い」を受けたらしい。ニュースでも男女差別やら多様性やらアイデンティティやら、関連する言葉が毎日のように流れているのもあってか、関心の方向性がそちらに向いているようだ。

筆者は最近、某小学校の改築の建築設計をしているのもあり小学校のソフト面にも関心事は多い。建築設計なのでハード面が基本ではあるが、形態は機能に従う、という言葉もあるようにハード面とソフト面は切っても切り離せない関係にある。
ギガスクールやユニバーサルデザイン、地域開放、学童クラブなど、学校のあり方が多岐に広がっていく一方で、児童の心理面に対する影響もまた変容しているように感じる。
大人の都合で機能面の向上を図るにあたり、無理に詰め込み過ぎて児童への影響がなおざりになっているのではないか。
そんな状況のなか、設計者たちは少しでも児童の憩いの場をつくろうと奮闘する。学校のどこかに授業では使われない自分だけの居場所があってもいいのではないか。1人になれる場所があってもいいのではないか。それは図書室かもしれないし、メディアセンターなる個別に開放されたPC室かもしれない。中庭のテラスかもしれないし、個人の図工製作室かもしれない。学校の枠組から少し離れた空間は個人を守る機能を有する場へと変容する。

影響を受けるのは児童だけではない。最近では職員へのストレスも配慮するべきと声があがっている。工事費の高騰が続く昨今、予算削減と機能向上のジレンマを抱えつつ、より良い空間を目指して今日も奮闘を覚悟する。