事業を開始するとき、家を建てたいとき、ビルを建てたいとき、テナントを借りたいとき、何かを始めるとき、多くの人はコストについて考える。そして、コストと労力を比較し、最初の一歩にものすごいエネルギーが必要であることに気付く。

コストにはイニシャルとランニングがある。イニシャルコストは初期費用のこと。建物でいえば建設費がそれにあたる。ランニングコストは運営費用。建てた建物を利用、すなわち運営する上でかかる費用のことを言う。
多くの人はイニシャルコストにだけ目がいきがちだが、何かを始める際は数十年というスパンで物事を考えるべきだ。30年や50年の運営を想定した場合、イニシャルコストはランニングコストからすれば氷山の一角でしかないからだ。
最近では省エネルギーの技術発展や世の中の関心が向いているのもあり、ランニングコストの重要性が広がりつつある。しかし、省エネルギーの技術は発展段階というのもあり、ランニングコストを下げる一方、イニシャルコストがあがりやすいといった側面もある。結局、何事もそうだが優先順位の検討が重要だ。
建物で言えば、設備や仕上げ、躯体、外構、多くの視点でグレードの設定がまず初めに重要になる。逆に、それら全てを可能な限りハイスペックにしようものなら、オーバースペックとなり、コストだけが上がって経済的ではない。4.5畳の部屋に30畳用のエアコンを入れても意味がない。

コスト管理については企画から運営、そしてその先(解体や売却、転用など)まで考える必要がある。そしてその考え方は、研究や教育、文学や芸術などあらゆる領域についても言えたりする。
どうしても何かに集中してしまうと、一方的な考え方や物の見方しかできない状態になってしまう。だからこそいろんな分野の人と話したり批評(否定?反発?)してくれる人を大事にするように心掛けている。たまにイラっとはするが、そこは自分に言い聞かせて、長期的メリットを優先する(ようにしている)。多角的に物事を捉え、広い視野でどっしりと。文字にしないとすぐに忘れてしまうのである。。