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風景づくり 地域との意見交換会・ワークショップについて

何かものをつくるとき非常に強いエネルギーを必要とすると感じることがあります。本当は素直に、ただ日常的に、子供が折り紙をするように、ブロック遊びをするように、ものづくりとはもっと日常に近いものであったような気がするのですが、それがいつからか、特別な意図や社会性などといったものを含めたものをつくらなければならない、といった何か責任感的なものが先行するようになるときがあります。ブログやSNSを更新するときも、たかが数十文字でも何日も悩んだりします。それでも反応してくれる人もいて、その拡がりや繋がりが面白く、たまにこうやって投稿したくもなります。

普段の仕事では建築設計を行なっていますが、学校や保育園、庁舎など、公共建築の設計をしていると、やはり説明責任もありますので、一つひとつの線に意味を考え、可能な限り説明できるよう神経を巡らせます。小学校の規模になると、既存の小学校の解体、工事期間中の仮設校舎建設、そして新校舎建設とグラウンド整備があり(インフラの切り替えや道路整備等細かいものを含めるとさらに多くの工事があります)、基本構想、基本設計、実施設計を含めると、学校の建て替え事業で7年前後かかることになります。以前は5年程度でしたが、最近は4週8閉所の実施や猛暑日の閉所、労働時間の規制などもあり、工事期間も増えきています。また、地域の方々との意見交換会や複数回の説明会、職員や児童とのワークショップなども行うことが多く、設計期間も増えてきています。

前置きが長くなってしまいましたが、今回はその設計期間における設計業務以外(意見交換会やワークショップ等)について書こうかと思います。

地域との意見交換会は、事業主側からの説明とワークショップ形式の意見交換のセットで行われることが多いです。地域によって活発に意見が出たり出なかったりはあるのですが、通常の説明会みたいに説明と質疑応答とかの内容にするとほとんど(どちらかの)一方的な主張になりがちで、建設的な議論にならないことが多いからです。

今まで行った中で成功したな、と思うのはワークショップ型というか参画型というか、事業主側も設計者も利用者も、地域と一緒になって意見を出し合う意見交換会です。グループワークでポストイット(メリット・デメリット・その他の3種類を用意)で意見を出し合い、どういう意見が出たかを発表。それらを共有した上で自分たちの意見をまとめて、最後にグループで考えたビジョンを発表。その後にそれぞれ小さい色付きシールを持って歩き回り、良い意見、共感した意見などに対してシール(いいねシールと呼んでいた)を貼っていきます。最後に司会の人が、シールが多く貼られている意見の読み上げや総評を行い共有しました。

やはり日本人、最初の1枚目の意見を出すまでが1番大変(笑)。そしてその最初の一枚目で、その後グループ内でポジティブな意見が多くなるか、ネガティブな意見が多くなるかが決まってきます。なので、重要なのはグループに多様性を持たせることとグループリーダーを決めることは結構重要です。老若男女のバランス、人数、職種のミックスなどなるべく多様性をもたせつつ、リードできる人(事例を出して意見を促せる人)を潜り込ませると結構スムーズになり、かつ、多視点的な意見が出るようになります。方向性を操作する必要はありません。良い悪いではなく、様々な視点からの多様な意見を出して頂くことがここでは重要です。どうしても声の大きい人や最初の人に意見が引っ張られがちになります。個人個人の意見(発信)には、不安や躊躇が少なからず持っているものだからです。だから、全員がどんな意見でも受け入れるという前提や環境をつくってあげるだけで意見交換は活発になります。

意見交換会は、そこで出た意見を実現させることが目的ではないと私は思います。実現させるさせないではなく、意見を出す、事業に参画する、それ自体が目的だと思います。意見交換会やワークショップ等で地域の方々や利用者に参画して頂いた事業は、少なくともその後の設計、建設、竣工した建築に係りを持ちます。それは愛着や誇りとなって、その人や地域に広がっていきます。それが風景づくりとなっていきます。

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